地震対策

【2026年版】家でできる地震対策の完全ガイド|すぐできる対策から長期的な備えまで徹底解説

日本は世界有数の地震大国です。いつ起こるか分からない地震に備えることは、家族の命と財産を守るために欠かせません。しかし「地震対策は何から始めればいいの?」「お金をかけずにできることはある?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、家でできる地震対策を予算別・優先順位別に徹底解説します。無料でできる対策から、長期的な視点で検討したい建物の補強まで、段階的にご紹介します。まずはできることから始めて、家族が安心して暮らせる住まいづくりを目指しましょう。

家の地震対策が必要な理由とは?

阪神・淡路大震災では、亡くなった方の多くが建物の倒壊や家具の転倒などによる圧迫死でした。また、地震による室内でのケガの原因を調べると、家具の転倒・落下による負傷が、全体の約3~5割を占めると報告されています。

これらのデータが示すのは、地震そのものだけでなく、室内環境も命を脅かす要因になるということです。逆にいえば、適切な対策を講じることで、多くのリスクを減らせます。

地震対策というと「大がかりで費用がかかる」と思われがちですが、実は手軽に取り組める対策も数多くあります。家具の配置を見直す、備蓄品を準備するといった日常的な取り組みが、いざという時に家族の命を守ります。

また、対策を進めることで得られる心理的な安心感も見逃せません。「備えあれば憂いなし」という言葉のとおり、準備しておくことで日々の不安が軽減され、より前向きに暮らせるようになります。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、できることから一歩ずつ始めることです。この記事を参考に、今日からできる地震対策を実践してみてください。

今日からできる!わが家の地震対策【予算別ロードマップ】

地震対策は「何から始めればいいか分からない」という声をよく聞きます。ここでは予算0円から段階的に進められる4つのステップと、実践の優先順位をご紹介します。無料の配置見直しから、家具の固定、飛散防止や感震ブレーカー、備蓄、家族の防災計画まで、効果と費用のバランスを見て優先度の高い対策から始めましょう。

【予算0円】基本対策(配置見直しと防災計画)

なぜこの対策が必要か

災害時に家族の安否を確認できないことは大きな不安につながります。お金をかけずに今日からできる、もっとも重要な対策になります。

家族で防災計画を立てる

  • 避難場所・経路の確認:自治体指定の場所を確認、実際に歩く、職場・学校それぞれの避難場所を共有
  • 安否確認方法の決定:災害用伝言ダイヤル(171)、遠方の親戚を中継点に、LINE等複数手段
  • 年1回の見直し:防災の日(9月1日)に家族会議、子どもにも役割を

家具の配置を見直す

以下の3つをチェックしましょう。

  • 寝室:背の高い家具を置かない、倒れても当たらない位置に配置
  • 避難経路:玄関・廊下に物を置かない、すぐに逃げられる状態を保つ
  • 収納:重いものは下、軽いものは上(重心を低く)

週末1時間を使って家族全員で家具の配置の見回りを行ってみましょう。

【予算1万円以内】転倒防止対策(家具の固定)

なぜこの対策が必要か

地震による室内でのケガの約30~50%は家具の転倒が原因です。配置の工夫だけでは、震度6以上の大きな揺れには対応できません。固定器具を使うことで、家具の転倒リスクを大幅に減らせます。

家具転倒防止対策

  • 地震対策用突っ張り棒:家具と天井の間に設置、壁に穴を開けずに固定
    概算価格:1,000~3,000円
    例:本棚、食器棚、タンス
  • 耐震マット:家具の下に敷いて固定
    概算価格:500~2,000円(複数枚)
    例:本棚、食器棚、タンス、テレビ台
  • 耐震ジェルマット:家電等の底面に貼付(転倒・移動・落下防止に)
    概算価格:500~1,500円
    例:テレビ、電子レンジ、パソコン、モニター
  • L字金具(持ち家の場合):壁にネジで固定、家具の2カ所以上に設置(下地・柱を探して固定)
    概算価格:500~1,500円(複数個)
    例:本棚・食器棚・タンス

3カ月に1回緩みをチェックしましょう。

【予算1~3万円】二次災害対策(ガラス・火災の防止)

なぜこの対策が必要か

地震の揺れで直接ケガをするだけでなく、割れたガラスの破片や地震後の電気火災による被害が深刻です。阪神・淡路大震災では、地震後の火災による死者が多数発生しました。二次災害を防ぐことで、生存率を大きく高めることができるため非常に大切な対策です。

優先順位の高い対策

感震ブレーカー:通電後の電気火災防止

地震発生時に一定以上の揺れで自動的にブレーカーを落とし、通電火災を防ぐ装置です。自治体によっては補助や助成制度が設けられている場合があり、賃貸でも大家・管理会社に相談して設置許可や補助利用を検討してください。

窓ガラス飛散防止フィルム:ガラス破片によるケガ防止

リビングと寝室のガラス破片は負傷リスクが高いため優先してください。貼付は原則で建具を傷めない方法で行い、賃貸では退去時の扱い(剥がし方)を大家へ確認しましょう。施工はDIY可能な製品もありますが、面積が大きければ業者施工を検討しましょう。

扉開き防止器具:家具等の中身の飛び出し防止

食器棚やつり戸棚の扉ロック・ラッチは中身の飛び出し・落下を防ぎます。取り付けは粘着タイプ/ネジ固定タイプがあり、賃貸では粘着式や両面テープ型のラッチが使いやすい(穴あけ不可の場合)です。重い食器は下段へ移動し、割れ物は簡易梱包しておくと効果的です。

予算1万円プラン:最優先対策

対策商品目安価格優先度
感電ブレーカー簡易タイプ(分電盤取付)3,000~5,000円★★★
飛散防止フィルム寝室の窓1~2枚分(DIY)3,000~4,000円★★★
扉開き防止器具粘着タイプ・4~6個2,000~3,000円★★☆

合計金額:約8,000~12,000円

予算2~3万円プラン:標準対策

対策商品目安価格優先度
感電ブレーカーコンセントタイプ(複数箇所)8,000~12,000円★★★
飛散防止フィルム寝室+リビングの窓(DIY)5,000~7,000円★★★
扉開き防止器具粘着+ネジ固定併用・8~10個3,000~4,000円★★☆

合計:約16,000~23,000円

予算が限られる場合は、感震ブレーカーを最優先にしましょう。

【予算3万円】生活維持対策(備蓄品の準備)

なぜこの対策が必要か

地震直後は、電気・ガス・水道などのライフラインが停止します。過去の大地震では、完全復旧まで数日~数週間かかったケースもあります。最低3日分、できれば1週間分の備蓄があれば、在宅避難が可能になり、避難所の混雑も緩和できます。

必須の備蓄品リスト

1週間分の備蓄品として、以下を目安にそろえましょう。

備蓄品名必要量の目安用途・例概算費用
1人1日3L×人数×7日分飲料水・調理用・衛生用2,000~3,000円
食料最低3日分、できれば1週間分缶詰・レトルト食品・アルファ米・乾パン・栄養補助食品5,000~8,000円
簡易トイレ1人1日5回×人数×7日分凝固剤タイプ・袋タイプ3,000~5,000円
懐中電灯・
ランタン
各1個以上LED懐中電灯・ヘッドライト・ランタン2,000~4,000円
携帯ラジオ1台以上手回し充電式・電池式2,000~3,000円
モバイルバッテリー1台以上大容量タイプ(10,000mAh以上)・ソーラー充電式3,000~5,000円
救急用品一式ばんそうこう・消毒液・常備薬・包帯・体温計2,000~3,000円
マスク・
ウェットティッシュ
適量使い捨てマスク・除菌ウェットティッシュ・ドライシャンプー1,500~2,500円
合計金額2~3万円前後

※価格は目安です。家族の人数や選ぶ商品によって変動します。

建物自体を守る地震対策|耐震・制震(制振)・免震の違い

ここまでご紹介した室内の地震対策に加えて、建物自体の地震への強さも重要です。家具を固定し備蓄品をそろえても、建物が倒壊してしまえば意味がありません。

建物の地震対策の基本は「耐震」です。その上に、制震(制振)や免震といった技術を組み合わせることで、より高い安全性を実現できます。耐震は強度で地震に耐え、制震(制振)は装置で建物に伝わる地震エネルギーを吸収し、免震は地盤から建物に伝わる地震エネルギーの伝達を減らします。

費用・効果・適用条件が異なるため、住宅の構造や予算、求める安全レベルに応じて最適な組み合わせを選びましょう。

耐震構造の特徴とメリット・デメリット

耐震とは、建物を頑丈にすることで地震の揺れに耐える構造です。柱や壁を強化し、建物が倒壊しないようにします。日本の住宅でもっとも一般的な地震対策で、新築住宅は建築基準法により一定の耐震性能が義務付けられています。

メリット

  • 建物の基本となる重要な対策
  • 技術が確立されており、施工業者が多い
  • リフォーム(耐震改修)でも補強工事で対応できる

デメリット

  • 建物自体は耐震性がますと固くなり衝撃を受け止めるため、室内の家具が転倒する可能性
  • 繰り返しの揺れで建物にダメージが蓄積
  • 建物の損傷を完全には防げない

制震(制振)構造の特徴とメリット・デメリット

制震(制振)とは、建物内に設置した制震装置(制振装置)が建物に伝わる地震エネルギーを吸収し、揺れを軽減する構造です。耐震構造を基本として、その上に制震装置(制振装置)を追加することで、より高い安全性を実現できます。

メリット

  • 繰り返しの地震や余震にも効果を発揮
  • 建物の損傷を軽減でき、地震後も住み続けられる可能性が高い
  • 新築時に導入することで最適な性能を発揮

デメリット

  • 耐震構造の上に追加するため、初期費用がかかる
  • 製品によってリフォームに設置不可の場合があり、性能や価格にも差がある
  • 壁の中に設置するため、基本的に点検やメンテナンスは不可

免震構造の特徴とメリット・デメリット

免震とは、建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震エネルギーを建物に伝えにくくする構造です。建物自体が揺れにくくなるため、室内の被害を最小限に抑えられます。耐震構造を基本とし、その上に免震技術を組み合わせた構造です。

メリット

  • もっとも揺れを抑制できる
  • 室内の被害を最小限に抑えられる
  • 建物の損傷もほぼ防げる

デメリット

  • 高額な費用がかかる
  • 既存建物への後付けが困難
  • 建築地等の制約があり、定期的なメンテナンスが必須

各構造の選び方

耐震は建物の基本性能として必須です。その上で、予算や求める安全性のレベルに応じて、制震(制振)や免震を組み合わせることで、より高い安全性を実現できます。

一般的な戸建て住宅では、耐震構造を基本とし、新築のタイミングで制震装置(制振装置)を取り付けるケースが増えています。免震は主に新築時の選択肢として検討する形になります。

大切なのは、それぞれの特性を理解し、建物の状況や予算、求める安全性のレベルに応じて最適な組み合わせを選ぶことです。

なぜ制震ダンパー(制振ダンパー)が選ばれるのか | 3つのメリット

前章で耐震・制震(制振)・免震の違いをご紹介しましたが、耐震構造を基本として、その上に制震装置(制振装置)を追加することが、これから対策を始める方にとって現実的な選択肢です。

では、なぜ制震ダンパー(制振ダンパー)が選ばれているのでしょうか。制震ダンパー(制振ダンパー)は、本震と余震の揺れを繰り返し吸収し、建物へのダメージ蓄積を防ぐ点が大きな特徴です。ここでは、制震(制振)構造ならではの3つのメリットを詳しく解説します。

メリット1:繰り返しの地震に強い

なぜ繰り返しの地震が問題なのか

大きな地震の後には、必ず余震が発生します。耐震構造だけの建物は、本震で受けたダメージが蓄積し、余震でさらに損傷が広がる可能性があります。実際、熊本地震では短期間に震度7クラスの地震が2回発生し、1回目の地震で損傷した建物が2回目で倒壊するケースも見られました。

制震ダンパー(制振ダンパー)の効果

制震ダンパー(制振ダンパー)は、本震だけでなく余震のたびに建物に伝わる地震エネルギーを吸収するため、建物へのダメージを継続的に軽減できます。1回目の地震でダメージを最小限に抑え、2回目、3回目の揺れにも効果を発揮し続けます。

熊本地震のように、短期間に大きな揺れが複数回発生するケースでも、制震(制振)構造の有効性が実証されています。繰り返しの地震に強いということは、地震後も安心して住み続けられるということです。

メリット2:建物の損傷を軽減

耐震だけでは防げない損傷

耐震構造は「建物が倒壊しない」ことを目的としていますが、建物自体は大きく揺れます。その結果、壁のひび割れ、建具のゆがみ、内装の損傷などが発生する可能性があります。建物は倒壊しなくても、住めない状態になってしまうことがあるのです。

制震ダンパー(制振ダンパー)の効果

制震ダンパー(制振ダンパー)を設置することで、建物に伝わる地震エネルギーを吸収し、建物の揺れを軽減できます。建物への衝撃を吸収することで、壁のひび割れや建具のゆがみなどの損傷も抑えられます。

これは単に建物を守るだけでなく、経済的なメリットも大きいです。地震後の修繕費用を抑えられる、あるいは修繕せずに住み続けられることで、生活の再建がスムーズになります。また、建物の資産価値を保つことにもつながります。

メリット3:耐震補強との組み合わせで安全性向上

1981年以前の住宅は要注意

建築基準法の耐震基準は、1981年(昭和56年)6月に大きく改正されました。それ以前の「旧耐震基準」で建てられた建物は、現在の基準から見ると耐震性能が不足している可能性が高いため、まず耐震補強が絶対条件となります。

耐震補強と制震(制振)の組み合わせ

旧耐震基準の住宅や、築年数が経過している住宅では、まず耐震補強(耐震改修)を行うことが最優先です。その上で、制震ダンパー(制振ダンパー)を組み合わせることで、安全性を大きく向上させることができます。

耐震補強で建物の強度を確保し、制震(制振)で建物に伝わる地震エネルギーを吸収するという、二重の対策が理想的です。

新築・既存住宅におすすめの制震ダンパー(制振ダンパー)「MER SYSTEM」

制震ダンパー(制振ダンパー)にもさまざまな種類がありますが、ここでは制震(制振)技術の応用製品として評価されている、日本制震システム株式会社の「MER SYSTEM(エムイーアールシステム)」をご紹介します。

この制震ダンパー(制振ダンパー)は、油圧式(オイル)ダンパーを知り尽くした世界に誇るヤマハモーターハイドロリックシステムと共同開発した製品で、以下の特徴を持っています。

多方向の揺れに対応:用途に応じて選べる2タイプ

Cross Type(壁内設置型)

柱と梁に設置し、横方向やねじれの揺れ、共振に効果的なタイプです。建物の構造躯体に設置する高性能な制震ダンパー(制振ダンパー)で、特殊オイル(温度不変)を使用しているため、火災の心配もありません。地震はもちろん、強風(台風)・交通振動にも効果を発揮します。

基本的には新築住宅への導入となりますが、Cross Typeであれば、リフォーム(耐震改修)時にも対応可能です。在来工法・2×4工法に対応しています。

Base Type(基礎設置型)

基礎と土台の間に設置し、1階の床下から効果を発揮するタイプです。横揺れ・縦揺れの両方に対応します。また、電車や大型車等による交通振動にも効果を発揮します。基礎と土台の間に設置する構造上、新築時のみの設置となります。

高い耐久性

  • メンテナンスフリー
  • ヤマハ社の特許技術を採用

ヤマハ社との共同開発により、メンテナンスフリーを実現しています。壁の中に設置されているため、基本的に点検やメンテナンスはできません。そのため、制震ダンパー(制振ダンパー)を選ぶ際は、耐久性が重要なポイントとなります。

高い安全性

  • 大地震や微振動を想定し200万回以上の作動テストをクリア
  • オイル漏れを防ぐ高性能なOリングを採用

繰り返し地震への耐性

余震を含む複数回の地震にも効果を発揮します。地震の揺れに限らず風による超極低速な揺れや、繰り返し発生する地震にも効果を発揮します。

新築時の導入で最適な性能を

新築住宅の設計段階から組み込むことで、建物の構造に合わせて最適な位置に配置でき、より高い制震(制振)効果が期待できます。

制震(制振)技術は年々進化しており、住宅向けにもさまざまなタイプの製品が開発されています。世界レベルの技術で、住まいの安全性を高めます。

日本制震システムの製品の詳細はこちら

まとめ|家の地震対策は「できることから」始めよう

ここまで、家でできる地震対策を段階的にご紹介してきました。まずは家具の配置や固定など即効性の高い対策を実践し、備蓄や家族での防災計画を整えます。その上で、建物の診断・補強と制震(制振)導入まで段階的に進めれば、被害を軽減できる可能性が高まります。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、できることから一歩ずつ始めることです。まずは今日から、寝室の家具配置をチェックする、家族で避難場所を確認するといった小さな行動から始めましょう。

室内の対策だけでなく、建物自体を守る視点も忘れないでください。耐震構造は建物の基本です。その上に制震装置(制振装置)を追加することで、より高い安全性を実現できます。これから新築を検討されている方は、制震ダンパー(制振ダンパー)の導入も選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

地震対策は一度やって終わりではありません。年1回の見直しで備えを維持します。家族で防災会議を開き、備蓄品や固定器具をチェックする習慣をつけましょう。

家族の安全と安心のために、今日から一歩を踏み出してください。

SUPERVISOR 監修者
高橋 治

高橋 治(Osamu Takahashi)

東京理科大学 工学部 建築学科 教授
/博士(工学) /構造設計一級建築士/
構造計算適合判定資格者/建築構造士

1991年、東京理科大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。株式会社構造計画研究所を経て、現職に至る。専門は建築構造設計、免震・制振技術。
「建物の安全と快適性を、革新的な技術で両立させる」ことを信条に、建築用オイルダンパーや三次元免震システムなど、最先端の耐震・免震技術の研究開発を牽引する第一人者。
日本建築学会賞(技術)や日本免震構造協会協会賞(技術賞)など受賞多数。大学発ベンチャー「株式会社サイエンス構造」の代表も務める。
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