家が揺れるのはなぜ?考えられる原因と、揺れにくくするための対策

「地震でもないのに家が揺れる」「トラックが通るとミシミシと音がする」——そんな経験はありませんか。地震以外でも家が揺れる原因はいくつかあり、特に近年では、トラックや電車などの交通振動が日常的な揺れの主要因として知られています。また、建物の耐震性不足や老朽化、地盤の問題が関係しているケースもあります。
日常の小さな揺れが、長い時間をかけて建物に影響を与えている可能性もあるため、「少し気になる」という段階で原因を整理しておくことが大切です。本記事では、家が揺れる主な原因と、揺れにくくするための対策を分かりやすく解説します。
この記事で解決できるお悩み
- 地震以外の家の揺れの原因を知りたい
- トラック通過時の振動を抑えたい
- 強風や台風で家が揺れるのを防ぐ
- 古い家の耐震と制震の対策を学ぶ
家が揺れるのはなぜ?考えられる主な原因
家が揺れる原因は、地震以外にもいくつかあります。主な原因を5つに整理すると、次のようになります。
①交通振動(トラック・電車)
幹線道路沿いや線路の近くにある住宅では、大型トラックや電車が通るたびに地面を通じて振動が伝わり、家が揺れることがあります。日常的に感じる小さな揺れの多くは、この交通振動に起因しているといわれています。
②強風による揺れ
台風や強風の日に家がミシミシと音を立てたり、ゆらゆらと揺れを感じたりすることがあります。風が強く吹きつけることで建物全体に力がかかり、特に高さのある住宅や開口部の多い建物では揺れを感じやすくなります。
③耐震性不足・老朽化
旧耐震基準の住宅や、経年劣化が進んでいる建物では、壁量の不足や接合部の劣化などにより、外からの力に対して建物が揺れやすくなることがあります。
④地盤の問題
軟弱地盤や埋立地、盛土の上に建つ住宅では、地面自体が揺れを伝えやすく、家の揺れを感じやすい傾向があります。地盤の種類は、揺れ方に大きく影響する要素です。
⑤地震(気づきにくい小さな揺れ)
日本では日々、体感できないほど小さな地震が頻繁に発生しています。気のせいと思っていた揺れが、実は微小な地震だったというケースもあります。
これら5つの要因は、単独で起こることもあれば、複数が重なって揺れを強めていることもあります。自分の家がどれに当てはまりそうかを、まず整理してみることが対策の第一歩です。
日常的な揺れの主要因——トラック・電車による交通振動
ここからは、日常的な揺れの主要因となりやすい「交通振動」について詳しく見ていきます。なぜ交通振動が家の揺れにつながるのか、仕組みを知ることで対策の方向性も見えてきます。
幹線道路沿いで発生しやすい振動
大型トラックや大型バスなどが走行すると、タイヤが路面の段差や継ぎ目を越える衝撃が地面に伝わります。この振動が地盤を介して建物に伝わり、家が揺れる原因になります。
特に、交通量の多い幹線道路沿いの住宅では、昼夜を問わず車両が通行するため、振動が断続的に発生しやすい環境にあります。舗装の状態や車両のスピード、積載量などによっても振動の強さは変わります。
線路近くで感じる継続的な揺れ
電車の通過による振動も、線路近くの住宅にとっては無視できない要素です。レールと車輪の接触、列車の重量、通過速度などによって、地盤を通じた振動が建物まで届きます。貨物列車や通勤時間帯の列車が多く通る線路沿いでは、揺れを頻繁に感じることがあります。
地盤の種類で揺れの伝わり方が変わる
同じ交通振動でも、地盤の種類によって揺れの伝わり方は大きく変わります。硬い地盤では振動が減衰しやすい一方、軟弱地盤や埋立地では振動が伝わりやすく、揺れを感じやすい傾向があります。
河川の近く、かつて田畑や沼地だった土地、埋立地などは、地盤が軟らかい可能性があります。自宅の地盤の種類を把握しておくと、揺れの原因を理解する手がかりになります。
関連記事:道路沿いの家が揺れる原因は?交通振動の基礎知識と「制震(制振)」で考える備え方
構造的なリスク——耐震性不足や老朽化が揺れに関係することも

交通振動や強風は外から加わる要因ですが、建物側の条件によって揺れを感じやすくなっているケースもあります。ここでは、家の揺れに関係する建物側のリスクを整理します。
旧耐震基準の住宅に潜むリスク
1981年5月以前に建築確認申請が行われた旧耐震基準の住宅では、現行の耐震基準と比べて壁量や接合部の規定が不十分な場合があります。外部からの振動や風に対して建物がたわみやすく、揺れを感じやすい状態になっていることがあります。
旧耐震基準の住宅は、耐震補強が強く推奨されています。放置すると、日常の振動によってダメージが少しずつ蓄積していく可能性もあるため、一度耐震診断を受けることをおすすめします。
壁量不足や構造バランスの偏り
1981~2000年に建てられた木造住宅でも、壁量や配置バランスに課題があるケースがあります。特に1階に大きな窓や駐車スペース(ビルトインガレージ)がある住宅では、壁の配置が偏りやすく、建物がねじれるように揺れることがあります。
接合部・基礎の劣化やシロアリ被害
柱と土台、柱と梁などの接合部が経年で緩んだり、シロアリ被害で木材が傷んだりすると、建物は力を受け止めにくくなります。基礎のひび割れや、雨漏りによる木材の腐朽なども、建物の剛性を下げる要因です。
放置による影響の蓄積
小さな揺れでも、長年にわたって継続的に受け続けることで、構造部材や仕上げ材にわずかな影響が蓄積していく可能性があります。すぐに大きな損傷につながるわけではありませんが、「気のせい」と放置し続けるよりも、一度建物の状態を確認しておくほうが安心です。
家の揺れを感じたら——まず確認したいことと対策の考え方
「家が揺れる」と感じたときに、まずできることを4つのステップで整理します。原因を見極めて適切な対策につなげるためにも、順を追って確認していくことが大切です。
①揺れのタイミング・状況を記録する
いつ、どんな状況で、どのくらい揺れるかをメモしておきましょう。「大型トラックが通るとき」「電車が通るとき」「強風の日」など、揺れのきっかけが分かると、原因の推定がしやすくなります。
②建物の状態をチェックする
外壁や基礎にひび割れがないか、建具の開閉に違和感がないか、床に傾きはないかなど、目に見える部分をチェックします。シロアリによる被害の痕跡(蟻道など)も確認しておきたい点です。
③耐震診断で現状を把握する
揺れの原因が建物側にありそうな場合は、専門家による耐震診断を受けるのが確実です。多くの自治体では、木造住宅の耐震診断に補助制度を設けているため、費用面の負担を抑えながら診断を受けることができます。
④対策の選択肢を整理する
診断結果をもとに、対策の選択肢を整理します。ひび割れの補修だけで対応できるケースもあれば、耐震補強が必要なケース、あるいは揺れのエネルギーを吸収する制震(制振)の導入を検討するケースもあります。
単なる補修だけでは、揺れの原因そのものが残り続けるため、根本的な解決にならないこともあります。揺れの原因と建物の状態の両方を踏まえて、対策を選ぶことが大切です。
揺れそのものを吸収する——制震(制振)という選択肢
「家が揺れる」という悩みに対しては、揺れのエネルギー自体を吸収する制震(制振)という考え方が有効です。耐震・免震との違いを整理しながら、制震(制振)が果たす役割を見ていきましょう。
耐震と制震(制振)は役割が異なる
地震対策には、耐震・免震・制震(制振)という3つの考え方があります。
- 耐震:建物そのものを強くして、揺れに「耐える」考え方
- 免震:地面の揺れを建物に伝えないようにする考え方
- 制震(制振):建物に入った揺れのエネルギーを吸収する考え方
耐震は地震対策の土台として欠かせませんが、日常的な交通振動や強風による小刻みな揺れに対しては、「揺れに耐える」だけでは揺れそのものは軽減しません。ここで役割を果たすのが制震(制振)です。
交通振動や強風による揺れにも対応できる制震ダンパー(制振ダンパー)
制震ダンパー(制振ダンパー)の中には、地震だけでなく、交通振動や強風(台風)による揺れにも効果を発揮するタイプがあります。日常的な揺れを継続的に吸収することで、建物にかかる負担を受け止め、住んでいる人の体感的な揺れも和らげる方向に働きます。
耐震と制震(制振)の組み合わせが検討しやすい
重要なのは、制震(制振)は耐震の代わりではなく、耐震があった上で組み合わせるものだという点です。旧耐震基準の住宅なら、まず耐震補強で建物の基本的な強さを確保し、その上で制震(制振)で揺れを吸収するという流れが自然です。
地震対策に完璧はありませんが、「耐震(土台)+制震(制振)(揺れを吸収)」という組み合わせで整えていくことで、日常の揺れから大規模地震まで、幅広い揺れに対応しやすい住まいに近づけることができます。
関連記事:制震(制振)とは?耐震・免震との違いや仕組みを分かりやすく解説
新築・既存住宅におすすめの制震ダンパー(制振ダンパー)「MER SYSTEM」

制震ダンパー(制振ダンパー)にもさまざまな種類がありますが、ここでは制震(制振)技術の応用製品として評価されている、日本制震システム株式会社の「MER SYSTEM(エムイーアールシステム)」をご紹介します。
この制震ダンパー(制振ダンパー)は、油圧式(オイル)ダンパーを知り尽くした世界に誇るヤマハモーターハイドロリックシステムと共同開発した製品で、以下の特徴を持っています。
Cross Type(壁内設置型)

①多方向の揺れに対応
柱と梁に設置し、横方向やねじれの揺れ、共振に効果的なタイプです。建物の構造躯体に設置する高性能な制震ダンパー(制振ダンパー)で、特殊オイル(温度不変)を使用しているため、火災の心配もありません。地震はもちろん、強風(台風)・交通振動にも効果を発揮します。 基本的には新築住宅への導入となりますが、Cross Typeであれば、リフォーム(耐震改修)時にも対応可能です。在来工法・2×4工法に対応しています。
②高い耐久性
- メンテナンスフリー
- ヤマハ社の特許技術を採用
ヤマハ社との共同開発により、メンテナンスフリーを実現しています。壁の中に設置されているため、基本的に点検やメンテナンスはできません。そのため、制震ダンパー(制振ダンパー)を選ぶ際は、耐久性が重要なポイントとなります。
③高い安全性
- 大地震から微振動まで様々な揺れを100年間想定した耐久テストをクリア
- オイル漏れを防ぐ高性能なオイルシールを採用
- 1棟1棟 最適な配置計画と数値的根拠となる計算書のご提出
④繰り返し地震への耐性
余震を含む複数回の地震にも効果を発揮します。地震の揺れに限らず風による超極低速な揺れや、繰り返し発生する地震にも効果を発揮します。

Base Type(基礎設置型)
基礎と土台の間に設置し、1階の床下から効果を発揮するタイプです。横揺れ・縦揺れの両方に対応します。また、電車や大型車等による交通振動にも効果を発揮します。基礎と土台の間に設置する構造上、新築時のみの設置となります。

① 多方向・多種類の揺れに対応
- 「耐震+制震」の相乗効果: 住宅会社様の耐震技術に、地震エネルギーを10〜30%吸収する本製品を組み合わせることで、あらゆる揺れに大きな効果が期待できます 。
- 従来のパッキンの利点を維持: 従来の樹脂製パッキンと同様の通気(換気)性を確保しながら、地震の揺れや衝撃を吸収するプラスのメリットを備えています 。
② 交通振動(縦揺れ)への圧倒的な効果
- 不快な微振動を大幅軽減: 線路や幹線道路沿いで問題となる、トラック・電車・新幹線などによる交通振動を大幅に軽減し、快適な住環境を確保します 。
- 縦揺れへの有効性: 建物へのダメージや住人の心身に影響を与える「縦揺れ」に対しても、基礎下から衝撃を吸収することで優れた効果を発揮します 。
③ 特殊構造による高い安全性と剛性維持
- 特殊鋼板入りのハイブリッド構造: ゴムの中に特殊鋼板を封入することで、荷重に対するゴムの潰れや、水平方向への過度な変形を抑制します 。
- 建物の歪みを防止: 振動や衝撃を吸収することで、柱が土台へめり込むのを軽減し、建物の剛性を長期にわたって維持することが可能です 。
④ 100年先を見据えた耐久性と実績
- メンテナンスフリーの耐久性: 耐久年数100年を誇り、防振性と耐久性に優れた天然ゴムとスチレン・ブタジエンゴムを素材として採用しています 。
- プロが選ぶ信頼の実績: 開発から23年、5万棟以上の導入実績があり、大手分譲系ハウスメーカーでも快適な住環境を提供するための独自の基準として採用されています 。

まとめ:原因の理解から始める、家の揺れへの備え

家が揺れる原因は、地震だけではなく、トラックや電車による交通振動、強風、耐震性不足や老朽化、地盤の問題など、複数の要因が考えられます。特に幹線道路沿いや線路近くの住宅では、日常的な交通振動が建物に影響を与えている可能性があります。
「気のせい」と放置せず、まずは揺れの状況を記録し、建物の状態をチェックすることから始めましょう。対策としては、耐震で建物の強さを確保した上で、制震(制振)で揺れのエネルギーを吸収するという組み合わせが検討しやすい選択肢です。
地震対策に完璧はありませんが、一つずつ整えていくことで、住まいの備えは着実に高まります。MER SYSTEMの詳細をご検討される方は、資料請求からお気軽にお問い合わせください。
- SUPERVISOR 監修者
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高橋 治(Osamu Takahashi)
東京理科大学 工学部 建築学科 教授
/博士(工学)
/構造設計一級建築士/
構造計算適合判定資格者/建築構造士 -
1991年、東京理科大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。株式会社構造計画研究所を経て、現職に至る。専門は建築構造設計、免震・制振技術。
「建物の安全と快適性を、革新的な技術で両立させる」ことを信条に、建築用オイルダンパーや三次元免震システムなど、最先端の耐震・免震技術の研究開発を牽引する第一人者。
日本建築学会賞(技術)や日本免震構造協会協会賞(技術賞)など受賞多数。大学発ベンチャー「株式会社サイエンス構造」の代表も務める。


