地震対策

建物倒壊のメカニズムとは?地震から命を守る3つの脅威と対策

日本は世界でも有数の地震大国であり、いつどこで巨大地震が発生してもおかしくありません。大地震が発生した際、私たちの命を脅かす最大の要因となるのが「建物の倒壊」です。

過去に甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災(阪神大震災)では、数多くの尊い命が奪われました。その際、亡くなった人の実に8割以上は、建物の倒壊などによる「圧死」が原因であったとされています。この事実からも、地震の直接的な揺れそのものよりも、揺れによって建物が崩れてしまうことが、いかに人命にとって致命的な危険をもたらすかがわかります。

いつ大地震が来ても自分や家族の命を守れるようにするためには、建物が倒壊するメカニズムを正しく理解し、事前に建物の耐震性をしっかりと高めておくことが極めて重要です。地震が建物に倒壊の危機を与える脅威には、大きく分けて「強い揺れ」「繰り返す揺れ」「共振現象」の3つのメカニズムが存在します。本記事では、これら3つの脅威がどのように建物を倒壊へと導くのか、その詳細について分かりやすく解説していきます。

  • 地震で建物が倒壊する原因を知りたい
  • 繰り返す余震によるダメージが心配
  • 「共振現象」って何が危険なの?
  • 古い家だけど地震が来ても大丈夫?
  • 倒壊から命を守る有効な地震対策は?

地震が建物に与える「3つの脅威」(建物倒壊のメカニズム)

脅威1「強い揺れ」〜内部構造が崩れ、揺れへの耐性が低下する〜

地震発生時に建物が受ける最も直接的な脅威が「強い揺れ」です。当然のことながら、地震による建物の揺れが大きければ大きいほど、建物自体に与える物理的なダメージも比例して大きくなります。

建物が大きく揺さぶられると、建物を支えている柱や壁、梁といった内部構造に多大な負荷がかかります。その負荷に耐えきれなくなると内部構造が崩れていき、建物としての強度が著しく低下します。一度内部構造が崩れ始めてしまうと、その後の揺れに対する抵抗力が失われ、ますます揺れに対して弱くなってしまうという悪循環に陥ります。

このような強い揺れによる建物の破壊を防ぐためには、建物をただ固くするだけではなく、揺れそのものをコントロールする視点が不可欠です。具体的には、地震の強い揺れを吸収し、建物に伝わる揺れを小さく抑える「制震(制振)」の技術を取り入れることが非常に重要になってきます。

 

脅威2「繰り返す揺れ」〜目に見えないダメージの恐ろしい蓄積〜

地震による建物への脅威は、たった一度の大きな揺れだけではありません。複数回にわたって発生する「繰り返す揺れ」も、建物倒壊の重大な要因となります。建物は、揺れを受けるたびに目に見えないダメージを内部に蓄積していくという特徴を持っています。

たとえば、新築時には非常に丈夫で、設計上は十分な耐力を持っていた建物であっても決して安心はできません。本震や余震を含めて何度も揺さぶられることで、建物の構造材や接合部には少しずつ損傷が重なっていきます。この損傷の蓄積により、建物全体の耐力は時間の経過とともに徐々に低下してしまうのです。

その結果、本来のはじめの設計であれば十分に耐えられるはずだった規模の地震であっても、蓄積されたダメージが原因で耐えきれず、倒壊に至ってしまうことが大いに考えられます。一度の地震で受けた損傷が外見上はごく些細なものに見えたとしても、建物は確実に揺れに対して弱くなっており、次に地震が起きた際に蓄積するダメージはさらに大きくなってしまいます。特に建築から年数が経過している古い建物ほど、これまでのダメージが蓄積しているため、より一層しっかりとした地震対策を行う必要があります。

 

脅威3「共振現象」〜建物の揺れが極端に増幅するリスク〜

建物倒壊を考える上で、決して無視できないのが「共振現象」という物理的なメカニズムです。共振現象とは、地震時に建物の振動に合わせたリズムで地盤が揺れた際に、建物の揺れが勢いづいて極端に増幅されてしまう現象を指します。

あらゆる建物には、それぞれ固有の揺れやすいリズムが存在しています。建物の場合は、その建物の「高さ」「重さ」「固さ」などの条件によって、揺れるリズムがあらかじめ決まっています。この物体が固有に持っている揺れの周期(リズム)のことを、専門用語で「固有周期」と呼びます。

一方で、地震を引き起こす地盤の揺れのリズムは非常に様々です。地盤がどのようなリズムで揺れるかは実際に地震が起きてみないとわかりません。これは裏を返せば、地盤の揺れのリズムと建物の固有周期が偶然一致してしまうリスクは常に存在し、「どの建物でも共振現象が発生する可能性がある」ということを意味しています。

共振現象によって揺れが増幅されると、通常の揺れをはるかに超える負荷が建物にかかるため、設計上の耐震性を超えて倒壊する危険性が高まります。だからこそ、どのような条件の建物であっても、共振現象による揺れの増幅を想定した地震に対する対策は絶対に欠かせないのです。

強い揺れ

建物の揺れが大きければ大きいほど、建物にあたえるダメージも大きくなります。
建物が大きく揺れると、内部構造が崩れていき、ますます揺れに対して弱くなっていきます。
そのため、強い揺れに対しては揺れを吸収し揺れを小さくする制震(制振)が重要になってきます。

震度とマグニチュード

繰り返す揺れ

繰り返す揺れにより、建物はダメージを蓄積していきます。
新築のときはとても丈夫だった建物も、何度か揺さぶられると少しずつ損傷が重なり、耐力を低下させてしまい、
はじめの設計では耐えられるはずの地震で倒壊することも大いに考えられます。
一度の地震では些細な損傷だったとしても、徐々に建物が揺れに対して弱くなっていき、
蓄積するダメージも大きくなっていってしまうのです。
なので古い建物ほど、しっかりとした地震対策を行う必要があります。

繰り返しの揺れ

共振現象

地震時に建物の振動に合わせたリズムで地盤が揺れると、建物の揺れが勢いづいて、増幅されます。これを共振現象と言います。
建物の場合は、「高さ」「重さ」「固さ」などで揺れるリズムが決まっています。
このリズムはその物体が固有に持っている揺れの周期なので「固有周期」と呼ばれます。
しかし、地盤の揺れのリズムは様々なので、どの建物でも共振現象が発生する可能性があります。
どんな建物でも地震に対する対策は欠かせないのです。

今後の大地震

図のように地盤の揺れと建物の揺れのリズムが重なると、共振現象により揺れが増幅されます。

建物倒壊を防ぐために必要な地震対策とは?

揺れを吸収する「制震(制振)」の重要性

ここまで、建物倒壊のメカニズムとして「強い揺れ」「繰り返す揺れ」「共振現象」という3つの脅威について解説してきました。大地震による建物の倒壊を防ぎ、阪神大震災のような圧死という悲劇を繰り返さないためには、建物の耐震性を高めると同時に、これらの脅威すべてに対抗できる備えが必要です。

そこで重要となるのが、脅威の一つである「強い揺れ」への対策でも触れた「制震(制振)」というアプローチです。建物の揺れそのものを吸収し、揺れを小さく抑え込む制震(制振)技術を取り入れることで、内部構造へのダメージ蓄積を防ぐことができます。

 

いつ起きるかわからない大地震に備えて

地震大国において、地震の発生そのものを防ぐことはできませんが、建物倒壊のメカニズムを正しく理解し、事前に対策を講じることで命を守ることは可能です。

古い建物にお住まいの方も、これから新築を検討されている方も、地震対策は決して一度行えば終わりではありません。いつ大地震が来ても大丈夫なように、建物の耐震性を高めると同時に、揺れを吸収する「制震(制振)」を含めた確実な地震対策を行うことをおすすめします。

監修者
監修

日本制震システム株式会社

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