地震発生時にやってはいけないことは?危険な行動と正しい判断を場面別に解説

地震が起きたとき、多くの人は「すぐ外へ逃げたほうがよい」「火を消さなければ」「家族のもとへ急いで戻らなければ」と考えがちです。しかし実際には、こうした行動が、かえってけがや二次災害につながることがあります。大切なのは、地震の最中や直後に”やってはいけないこと”を知り、その理由を理解した上で、落ち着いて正しい判断につなげることです。
本記事では、地震発生時に起こりやすい危険な行動を整理しながら、正しい行動判断の考え方や、日頃からできる備え、住まいの安全性まで分かりやすく解説します。
この記事で解決できるお悩み
- 地震発生時の危険なNG行動がわかる
- 慌てて外へ飛び出してはいけない理由
- 無理な火の始末や避難時の正しい判断
- 冷静な行動を支える住まいの安全対策
地震発生時にまず知っておきたい基本原則
地震時は、「何かを急いですること」よりも、「まず自分の身を守ること」が基本です。ここを取り違えると、よかれと思って取った行動が危険につながることがあります。
最優先は身の安全確保
大きな揺れの最中は、想像以上に体が動かしにくくなります。立って歩くこと自体が難しくなり、移動中に転倒したり、家具や飛散物にぶつかったりするおそれがあります。そのため、まず優先したいのは、丈夫な机の下に入る、頭を守る、倒れやすい家具から離れるなど、その場で身を守る行動です。
特に住宅内では、食器棚、本棚、冷蔵庫、テレビ台など、揺れによって危険物になりやすいものが少なくありません。地震の瞬間は「逃げる」ことより、「けがをしない」ことを優先したほうが、結果として安全につながります。
“早く動く”より”正しく動く”が重要
地震時は、素早く行動することが必ずしも正解ではありません。
例えば、外へ出る、火を消すなど、平常時なら正しいと思える行動も、揺れている最中には危険になることがあります。
重要なのは、「今は何を優先すべき場面か」を見極めることです。揺れている最中なのか、揺れが収まった直後なのか、余震が続いているのかによって、取るべき行動は変わります。地震時の行動は、速さよりも順序が大切です。
地震発生時にやってはいけないこと① 慌てて外へ飛び出す
地震時にもっともよくある誤解の一つが、「とにかく外へ出れば安全」という考え方です。しかし実際には、揺れている最中に慌てて外へ飛び出すと、危険が増すことがあります。
屋内では移動中の転倒や落下物が危険
揺れている最中の室内では、家具の転倒、照明器具の落下、食器やガラスの飛散などが起こることがあります。その状態で玄関や出口を目指して移動すると、途中で転倒したり、落下物に巻き込まれたりするおそれがあります。
特に、玄関までの動線上に大型家具がある住宅や、床に物が多い住宅では危険が増しやすくなります。そのため、揺れの最中は無理に移動せず、その場で安全を確保することが基本です。
屋外でも安全とは限らない
外に出れば安心と思われがちですが、屋外にも別の危険があります。
建物の外壁、窓ガラス、看板、屋根材、ブロック塀などは、地震時に落下や倒壊の危険があります。特に住宅街や市街地では、建物のすぐそばほど危険が大きくなりやすいため、揺れている最中に勢いよく飛び出すと、かえって危険な場所に出てしまうことがあります。
「外へ出ること」自体ではなく、「今いる場所と外のどちらが安全か」を冷静に考える視点が重要です。
関連記事:地震で外に出るタイミングはいつ?揺れている最中・直後・余震時に分けて正しい行動を解説[A1]
地震発生時にやってはいけないこと② 揺れている最中に無理に火を消しに行く
地震の後に火災が起きることはあるため、火の元が気になるのは自然です。ただし、強い揺れの最中に無理に火元へ向かう行動は危険です。
火の元に近づくことでやけどや転倒につながる
キッチンでは鍋ややかんが落ちたり、熱湯がこぼれたりすることがあります。暖房器具の近くでは、機器や周辺の家具に体をぶつけることもあります。揺れの中で火を消そうとすると、やけどや転倒の危険が高まります。
特に調理中の地震では、とっさにコンロへ向かいたくなるかもしれませんが、まず優先したいのは自分の安全です。火の確認は、揺れが収まってから落ち着いて行うことが基本になります。
まず身を守り、その後に火気を確認する
火災対策は重要ですが、順序が大切です。
揺れが収まったら、周囲の安全を確認した上で、火の元やガスの異常を見ます。煙や異臭がないか、火が消えているかを落ち着いて確認することが大切です。
また、日頃から感震機能付き機器や自動停止機能のある設備を活用しておくと、非常時の負担を減らしやすくなります。地震時は「無理に火を消しに行かない」が重要であり、そのための平時の備えも併せて考えておく必要があります。
地震発生時にやってはいけないこと③ エレベーターや出口に急いで向かう

オフィスビル、マンション、商業施設などでは、地震の瞬間に出口やエレベーターへ向かいたくなることがあります。しかし、この行動は別の事故を引き起こす原因になりやすいです。
エレベーターへの移動は閉じ込めリスクがある
揺れている最中や直後にエレベーターを使おうとすると、停止や閉じ込めのリスクがあります。移動中にさらに揺れが強まることもあり、エレベーターを目指す行動そのものが危険になる場合があります。
特に高層建築では、エレベーターに頼らず、その場で安全を確保し、建物管理者や係員の案内を待つことが重要です。急いで移動するより、まず状況を確認することが優先されます。
出口への殺到が新たな事故を生む
人が多い場所では、出口付近に人が集中することで、押し合いや転倒が起きやすくなります。地震そのものではなく、避難行動による混乱がけがにつながることもあります。
そのため、施設内では揺れの最中に出口へ走り出すのではなく、まずその場で頭を守り、揺れが収まってから落ち着いて避難経路を確認することが大切です。避難は重要ですが、慌て方を間違えると危険が増します。
地震時の行動を支えるのは住まいの安全性
ここまで見てきたように、地震時にやってはいけないことの多くは、焦りや不安から起こります。その不安を少しでも減らすには、行動の知識だけでなく、住まいそのものの安全性を高める視点も重要です。
住まいの安全性が判断の余裕につながる
建物への不安が大きいと、揺れた瞬間に強い恐怖を感じやすく、落ち着いた判断が難しくなります。一方で、住まいの安全性がある程度確保されていれば、揺れの最中や直後にも冷静に行動しやすくなります。
つまり、防災は避難方法だけでなく、住まいの性能とも深く関わっています。非常時の判断を支える土台として、住宅の安全性を見直す視点が大切です。
まずは耐震性能の確認が前提
地震対策の基本は、まず耐震です。建物そのものの強さを確保し、大きな揺れに対して必要な性能を備えることが土台になります。
特に旧耐震基準の住宅では、必要に応じて耐震補強を検討することが重要です。制震(制振)を考える場合でも、まずは耐震が前提であることを押さえておきたいところです。
揺れを吸収する制震(制振)の考え方
耐震を土台とした上で、建物に伝わる揺れのエネルギーを吸収するという考え方が制震(制振)です。揺れのエネルギーを吸収することで、住まいへの備えを一段深める視点が加わり、地震対策をより具体的に考えるきっかけになります。
地震への不安をゼロにすることは難しくても、住まいの安全性を一つずつ高めていくことは可能です。その積み重ねが、防災・減災につながります。
関連記事:地震の備えで大切なこと|家庭でできる準備と住宅の安全対策
新築・既存住宅におすすめの制震ダンパー(制振ダンパー)「MER SYSTEM」

制震ダンパー(制振ダンパー)にもさまざまな種類がありますが、ここでは制震(制振)技術の応用製品として評価されている、日本制震システム株式会社の「MER SYSTEM(エムイーアールシステム)」をご紹介します。
この制震ダンパー(制振ダンパー)は、油圧式(オイル)ダンパーを知り尽くした世界に誇るヤマハモーターハイドロリックシステムと共同開発した製品で、以下の特徴を持っています。
Cross Type(壁内設置型)

①多方向の揺れに対応
柱と梁に設置し、横方向やねじれの揺れ、共振に効果的なタイプです。建物の構造躯体に設置する高性能な制震ダンパー(制振ダンパー)で、特殊オイル(温度不変)を使用しているため、火災の心配もありません。地震はもちろん、強風(台風)・交通振動にも効果を発揮します。 基本的には新築住宅への導入となりますが、Cross Typeであれば、リフォーム(耐震改修)時にも対応可能です。在来工法・2×4工法に対応しています。
②高い耐久性
- メンテナンスフリー
- ヤマハ社の特許技術を採用
ヤマハ社との共同開発により、メンテナンスフリーを実現しています。壁の中に設置されているため、基本的に点検やメンテナンスはできません。そのため、制震ダンパー(制振ダンパー)を選ぶ際は、耐久性が重要なポイントとなります。
③高い安全性
- 大地震から微振動まで様々な揺れを100年間想定した耐久テストをクリア
- オイル漏れを防ぐ高性能なオイルシールを採用
- 1棟1棟 最適な配置計画と数値的根拠となる計算書のご提出
④繰り返し地震への耐性
余震を含む複数回の地震にも効果を発揮します。地震の揺れに限らず風による超極低速な揺れや、繰り返し発生する地震にも効果を発揮します。

Base Type(基礎設置型)
基礎と土台の間に設置し、1階の床下から効果を発揮するタイプです。横揺れ・縦揺れの両方に対応します。また、電車や大型車等による交通振動にも効果を発揮します。基礎と土台の間に設置する構造上、新築時のみの設置となります。

① 多方向・多種類の揺れに対応
- 「耐震+制震」の相乗効果: 住宅会社様の耐震技術に、地震エネルギーを10〜30%吸収する本製品を組み合わせることで、あらゆる揺れに大きな効果が期待できます 。
- 従来のパッキンの利点を維持: 従来の樹脂製パッキンと同様の通気(換気)性を確保しながら、地震の揺れや衝撃を吸収するプラスのメリットを備えています 。
② 交通振動(縦揺れ)への圧倒的な効果
- 不快な微振動を大幅軽減: 線路や幹線道路沿いで問題となる、トラック・電車・新幹線などによる交通振動を大幅に軽減し、快適な住環境を確保します 。
- 縦揺れへの有効性: 建物へのダメージや住人の心身に影響を与える「縦揺れ」に対しても、基礎下から衝撃を吸収することで優れた効果を発揮します 。
③ 特殊構造による高い安全性と剛性維持
- 特殊鋼板入りのハイブリッド構造: ゴムの中に特殊鋼板を封入することで、荷重に対するゴムの潰れや、水平方向への過度な変形を抑制します 。
- 建物の歪みを防止: 振動や衝撃を吸収することで、柱が土台へめり込むのを軽減し、建物の剛性を長期にわたって維持することが可能です 。
④ 100年先を見据えた耐久性と実績
- メンテナンスフリーの耐久性: 耐久年数100年を誇り、防振性と耐久性に優れた天然ゴムとスチレン・ブタジエンゴムを素材として採用しています 。
- プロが選ぶ信頼の実績: 開発から23年、5万棟以上の導入実績があり、大手分譲系ハウスメーカーでも快適な住環境を提供するための独自の基準として採用されています 。

まとめ:地震時の危険行動を避けることが、防災の第一歩

地震発生時にやってはいけないことを知ることは、正しい行動判断への第一歩です。
慌てて外へ飛び出す、揺れている最中に火を消しに行く、エレベーターや出口へ急ぐといった行動は、よかれと思って選びやすい一方で、危険を広げることがあります。
大切なのは、地震時に「何をするか」だけでなく、「何をしないほうがよいか」も理解しておくことです。
その上で、日頃の備えや住まいの安全性を見直すことで、非常時にも落ち着いて判断しやすくなります。まずは耐震を土台としながら、必要に応じて制震(制振)も検討し、住まいから防災・減災を考えていくことが重要です。

- SUPERVISOR 監修者
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高橋 治(Osamu Takahashi)
東京理科大学 工学部 建築学科 教授
/博士(工学)
/構造設計一級建築士/
構造計算適合判定資格者/建築構造士 -
1991年、東京理科大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。株式会社構造計画研究所を経て、現職に至る。専門は建築構造設計、免震・制振技術。
「建物の安全と快適性を、革新的な技術で両立させる」ことを信条に、建築用オイルダンパーや三次元免震システムなど、最先端の耐震・免震技術の研究開発を牽引する第一人者。
日本建築学会賞(技術)や日本免震構造協会協会賞(技術賞)など受賞多数。大学発ベンチャー「株式会社サイエンス構造」の代表も務める。

