最近地震が多いのは気のせい?そう感じる理由と、繰り返す揺れへの住まいの備え

スマホに地震速報が届く回数が増えた、SNSで地震の話題をよく見かける——「最近、地震が多い気がする。大きな地震の前触れでは」と、漠然とした不安を抱えていませんか。実は、地震の回数は気象庁のデータで誰でも確かめることができ、その体感には根拠がある場合も少なくありません。本記事では、「最近地震が多い」と感じる理由をデータ・地域特性・地震活動の動向という視点で整理し、「前触れ」への向き合い方、そして家具の固定や備蓄・地震保険では届かない「建物側の備え」まで解説します。
この記事で解決できるお悩み
- 「最近地震が多い」と感じる理由を知りたい
- 大地震の前触れやメカニズムを詳しく知りたい
- 保険や備蓄以外の建物の地震対策を知りたい
- 繰り返す揺れに効く制震ダンパーを知りたい
「最近地震が多い」は気のせい?——データで確かめる方法
スマホの緊急速報や地震情報を目にする機会が増えると、「最近多いのでは」と感じるのは自然なことです。では、その体感は思い込みなのでしょうか。まずは、データで確かめる方法から見ていきましょう。
地震の回数は「震度データベース」で誰でも確認できる
気象庁の「震度データベース検索」を使うと、期間・地域・震度の条件を指定して、過去に観測された地震を誰でも調べることができます。たとえば「自分の県で、この1年に震度3以上を観測した地震」と「その前の1年」を比べれば、体感が実際の回数と合っているかを確認できます。「多い気がする」で立ち止まらず、まずデータを見てみることが、不安と付き合う第一歩です。
時期による増減と、地域による差——体感には根拠があることも
実際に調べてみると、地震の回数は時期によって増減していることが分かります。特に大きな地震のあとは、余震によって回数が急増する局面があります。2026年7月に令和8年熊本地震が発生してからは、地震に関する情報に触れる機会が実際に増えており、「最近多い」という体感が事実と重なっている時期だといえます。
また、都道府県によって地震の回数には大きな差があります。つまり、「最近多い」「うちの地域は揺れる」という体感は、単なる思い込みとは限らず、データと地域の特性に根拠がある場合が少なくないのです。
出典:気象庁「震度データベース検索」
>関連コラム:地震発生のメカニズムと「命を守る」最新の地震対策とは
なぜ日本は地震が多い?——地域差の理由と「前触れ」への向き合い方
そもそも日本は、なぜこれほど地震が多いのでしょうか。そして、回数が増えることは大きな地震の前触れなのでしょうか。ここでは、背景にある構造と、不安への向き合い方を整理します。
4つのプレートが集まる世界有数の地震多発地帯
日本列島は、太平洋プレート・フィリピン海プレート・北米プレート・ユーラシアプレートという4つのプレートがぶつかり合う場所に位置しています。世界で発生するマグニチュード6以上の地震のおよそ2割が日本周辺で起きているといわれています。プレートの境界では長い時間をかけてひずみがたまり、限界に達すると地震として解放されます。この繰り返しが続く限り、日本に住んでいて地震と無縁でいられる場所はないのが実情です。
地域差が生まれる理由——活断層・プレート境界・大地震後の活動
そのうえで、回数の差は地域の条件によって生まれます。内陸の活断層の分布、プレート境界との位置関係、そして過去の大地震後の活動です。大きな地震のあとには余震が続き、規模が大きいほど活動は長引く傾向があります。東日本大震災の被災地では、余震とみられる活動を含め、震災前より活発な地震活動がいまも続いていますし、熊本や能登半島、トカラ列島近海でも、大きな地震や群発地震のあとに回数が増えました。気象庁も、大地震のあとには当面、同程度の地震に注意するよう呼びかける運用をしています。「最近多い」の背景には、こうした構造があるのです。
「多い=前触れ」とは限らない——予知より「平時の備え」
それでも気になるのは、「この揺れは大地震の前触れではないか」という不安でしょう。しかし、現在の科学的知見では、地震の発生時期や場所、規模を確度高く予測することは難しいとされています。回数の増減だけから「前触れかどうか」を判断することはできませんし、日時や場所を特定した「予知情報」には科学的な根拠がなく、振り回されないことも大切です。
一方で、南海トラフ巨大地震のように、政府の長期評価で発生確率が最も高いランクに位置づけられている地震もあります。南海トラフ地震の発生前後には、西日本の内陸で地震活動が活発になる傾向があることも指摘されています。結局のところ現実的なのは、「前触れかどうか」を見極めようとすることではなく、「いつ起きてもおかしくない」という前提で、平時から備えておくことなのです。
出典:気象庁「大地震後の地震活動(余震等)について」
出典:地震調査研究推進本部「「南海トラフの地震活動の長期評価」を一部改訂しました」
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家具の固定・備蓄・地震保険では届かない領域がある

「備えなければ」と思ったとき、多くの方がまず取り組むのが、家具の固定や備蓄、そして地震保険です。これらはいずれも欠かせない備えです。ただし、それぞれの役割と、カバーできない領域を知っておく必要があります。
家具の固定・備蓄・地震保険は「欠かせない備え」
家具の転倒防止や避難経路の確認、水・食料の備蓄は、地震の瞬間とその後の数日間、命と生活を守るための基本です。また地震保険は、建物や家財が被害を受けたときに、被災後の生活再建を金銭面で支えるための備えです。どれも優先度の高い、まず取り組むべき対策であることは間違いありません。
ただし「起きた後」の対策——建物の揺れそのものには働きかけられない
一方で、これらには共通点があります。いずれも「地震が起きた後」に、被害やダメージにどう対処するかという対策だという点です。家具の固定は室内の被害に、備蓄は生活の維持に、保険は金銭面の再建に備えるものであって、建物そのものの揺れや損傷に働きかけるものではありません。
小さな揺れの積み重ねと、建物のコンディション
そして、地震が多い地域の住まいには、もうひとつの視点が必要です。体感では小さな揺れでも、繰り返し受け続ける建物では、建具の立て付けの狂いや壁の細かなひび割れ、接合部の緩みといったダメージが少しずつ蓄積していく可能性があります。特に旧耐震基準の時代に建てられた住宅や経年劣化が進んだ木造住宅では、小さな地震の積み重ねが、いざ大地震が起きたときの耐性に影響しかねません。地震の発生や地域の特性は変えられませんが、建物側の揺れにくさは対策できます。次の章で、その考え方を見ていきましょう。
>関連コラム:地震の備えで大切なこと|家庭でできる準備と住宅の安全対策
「そもそもダメージを防ぐ」一歩手前の備え——制震ダンパー(制振ダンパー)
被災後を支える備えに対して、被害そのものが生まれる一歩手前に働きかける備えがあります。それが、建物側の地震対策です。ここでは、制震ダンパー(制振ダンパー)の役割と考え方を整理します。
保険・備蓄は「被災後の備え」、制震(制振)は「一歩手前の備え」
地震保険や備蓄が「起きた後」を支える備えだとすれば、制震ダンパー(制振ダンパー)は、柱や梁といった建物の構造体に直接設置し、揺れのエネルギーを吸収して、建物の変形やダメージの蓄積を防ぐ——つまり「そもそものダメージ」に働きかける一歩手前の備えです。どちらが優れているという話ではなく、役割がまったく異なります。両方を組み合わせてこそ、地震への備えは厚くなります。
繰り返す揺れのエネルギーを吸収し、蓄積を防ぐ
製品の中には、巨大地震のような一度の大きな揺れだけでなく、中小規模の地震や余震など、繰り返し続く揺れにもそのたびに効果を発揮し続けるものがあります。「最近地震が多い」と感じる地域は、まさに繰り返す揺れを受けやすい環境です。揺れのたびにエネルギーを吸収し、ダメージの蓄積を防ぐという制震(制振)の働きは、こうした環境と相性の良い備えといえます。
耐震という土台の上に組み合わせる
順序として大切なのは、耐震という土台があった上で、制震(制振)や免震を組み合わせるという考え方です。新築であれば設計段階から計画するのが基本で、既存の住宅で検討する場合は、まず建物の耐震性や劣化の状態を確認することが出発点になります。そのうえで、リフォーム(耐震改修)にあわせて導入できる製品もあるため、専門家に相談してみるとよいでしょう。どの位置に何本設置すれば効果的かは建物ごとに異なるため、計算にもとづく配置計画を示してくれるかどうかも、相談先を見極めるポイントです。
>関連コラム:制震(制振)とは?耐震・免震との違いや仕組みを分かりやすく解説
気になる「最近多い」との向き合い方——確認・診断・相談の3ステップ

不安をそのままにせず、備えに変えるための3つのステップを紹介します。難しいことから始める必要はありません。まずは客観的な情報を知ることからです。
ステップ①:震度データベースとハザードマップで客観確認
気象庁の震度データベース検索で、自分の地域の地震回数の推移を確認してみましょう。あわせて、国や自治体が公開しているハザードマップで、近くの活断層の有無や想定される揺れの強さも確認しておくと、体感を客観的な情報で裏付けられます。ハザードマップは多くの自治体で紙でも配布されているため、家族と共有しておくと、いざというときの行動にもつながります。
ステップ②:体感の変化があれば耐震診断を
「以前より揺れを感じるようになった」「小さな地震でも家がきしむ」といった体感の変化がある場合や、旧耐震基準の時代に建てられた住宅にお住まいの場合は、自己判断せず、専門家による耐震診断を受けることをおすすめします。繰り返しの揺れによる建物への影響は、外からは見えにくいためです。
ステップ③:金銭的な備えと建物側の対策を組み合わせる
診断の結果を踏まえたら、地震保険などの金銭的な備えと、建物側の対策を組み合わせて考えましょう。補強や制震ダンパー(制振ダンパー)の設置を検討する場合は、耐震診断から補強設計、施工まで一貫して相談できる専門会社に依頼すると、手戻りなく進めやすくなります。建物ごとの計算や配置計画といった根拠を示してくれる会社なら、より安心です。相談の際は、ステップ①で確認した地域のデータや、日ごろ感じている揺れの様子を伝えると、話がスムーズに進みます。
>関連コラム:耐震・免震・制震どれがいい?後悔しない「地震対策」の選び方
新築・既存住宅におすすめの制震ダンパー(制振ダンパー)「MER SYSTEM」

制震ダンパー(制振ダンパー)にもさまざまな種類がありますが、ここでは制震(制振)技術の応用製品として評価されている、日本制震システム株式会社の「MER SYSTEM(エムイーアールシステム)」をご紹介します。
この制震ダンパー(制振ダンパー)は、油圧式(オイル)ダンパーを知り尽くした世界に誇るヤマハモーターハイドロリックシステムと共同開発した製品で、以下の特徴を持っています。
Cross Type(壁内設置型)

①多方向の揺れに対応
柱と梁に設置し、横方向やねじれの揺れ、共振に効果的なタイプです。建物の構造躯体に設置する高性能な制震ダンパー(制振ダンパー)で、特殊オイル(温度不変)を使用しているため、火災の心配もありません。地震はもちろん、強風(台風)・交通振動にも効果を発揮します。 基本的には新築住宅への導入となりますが、Cross Typeであれば、リフォーム(耐震改修)時にも対応可能です。在来工法・2×4工法に対応しています。
②高い耐久性
- メンテナンスフリー
- ヤマハ社の特許技術を採用
ヤマハ社との共同開発により、メンテナンスフリーを実現しています。壁の中に設置されているため、基本的に点検やメンテナンスはできません。そのため、制震ダンパー(制振ダンパー)を選ぶ際は、耐久性が重要なポイントとなります。
③高い安全性
- 大地震から微振動まで様々な揺れを100年間想定した耐久テストをクリア
- オイル漏れを防ぐ高性能なオイルシールを採用
- 1棟1棟 最適な配置計画と数値的根拠となる計算書のご提出
④繰り返し地震への耐性
余震を含む複数回の地震にも効果を発揮します。地震の揺れに限らず風による超極低速な揺れや、繰り返し発生する地震にも効果を発揮します。

Base Type(基礎設置型)
基礎と土台の間に設置し、1階の床下から効果を発揮するタイプです。横揺れ・縦揺れの両方に対応します。また、電車や大型車等による交通振動にも効果を発揮します。基礎と土台の間に設置する構造上、新築時のみの設置となります。

① 多方向・多種類の揺れに対応
- 「耐震+制震」の相乗効果: 住宅会社様の耐震技術に、地震エネルギーを10〜30%吸収する本製品を組み合わせることで、あらゆる揺れに大きな効果が期待できます 。
- 従来のパッキンの利点を維持: 従来の樹脂製パッキンと同様の通気(換気)性を確保しながら、地震の揺れや衝撃を吸収するプラスのメリットを備えています 。
② 交通振動(縦揺れ)への圧倒的な効果
- 不快な微振動を大幅軽減: 線路や幹線道路沿いで問題となる、トラック・電車・新幹線などによる交通振動を大幅に軽減し、快適な住環境を確保します 。
- 縦揺れへの有効性: 建物へのダメージや住人の心身に影響を与える「縦揺れ」に対しても、基礎下から衝撃を吸収することで優れた効果を発揮します 。
③ 特殊構造による高い安全性と剛性維持
- 特殊鋼板入りのハイブリッド構造: ゴムの中に特殊鋼板を封入することで、荷重に対するゴムの潰れや、水平方向への過度な変形を抑制します 。
- 建物の歪みを防止: 振動や衝撃を吸収することで、柱が土台へめり込むのを軽減し、建物の剛性を長期にわたって維持することが可能です 。
④ 100年先を見据えた耐久性と実績
- メンテナンスフリーの耐久性: 耐久年数100年を誇り、防振性と耐久性に優れた天然ゴムとスチレン・ブタジエンゴムを素材として採用しています 。
- プロが選ぶ信頼の実績: 開発から23年、5万棟以上の導入実績があり、大手分譲系ハウスメーカーでも快適な住環境を提供するための独自の基準として採用されています 。

まとめ:「最近多い」という体感を、備えのきっかけに

「最近地震が多い」という体感には、日本の地質的な背景や地域の特性、大きな地震のあとの活動という根拠がある場合が少なくありません。そして、それが大地震の前触れかどうかを、事前に知ることはできません。だからこそ、家具の固定や備蓄、地震保険といった備えに加えて、建物そのものへのダメージを防ぐ「一歩手前の備え」を考えておくことに意味があります。気になる揺れが続くようなら、まずは客観的なデータの確認と専門家による耐震診断から始めて、揺れのエネルギーを吸収する制震ダンパー(制振ダンパー)という選択肢も含めて相談してみてください。「MER SYSTEM」の詳しい資料は、日本制震システム株式会社までお気軽にご請求ください。
- SUPERVISOR 監修者
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高橋 治(Osamu Takahashi)
東京理科大学 工学部 建築学科 教授
/博士(工学)
/構造設計一級建築士/
構造計算適合判定資格者/建築構造士 -
1991年、東京理科大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了。株式会社構造計画研究所を経て、現職に至る。専門は建築構造設計、免震・制振技術。
「建物の安全と快適性を、革新的な技術で両立させる」ことを信条に、建築用オイルダンパーや三次元免震システムなど、最先端の耐震・免震技術の研究開発を牽引する第一人者。
日本建築学会賞(技術)や日本免震構造協会協会賞(技術賞)など受賞多数。大学発ベンチャー「株式会社サイエンス構造」の代表も務める。

